夜の期待値の積み方~高速インターチェンジには気を付けろ!~
俺の名前は星野テツロー。
人は俺の事を夜の期待値ハンターと呼ぶ。
さて、今日は実体験…恐怖体験を書こうと思う。
最初に言っておくが女性は厳禁だ、女子は帰ってお母さんと会議してな。
女性が入る会議は長…おっと、これ以上は止めておこうか。
久し振りに夜の期待値の積み方を書く。
手が震えるぜチクショウ!
初見の人に簡単に説明すると夜の街で期待値を積み重ね男として成長する感動のサクセスストーリーである。
男を磨くにはこれを読め!!
「おい!俺が奢ってやるから◯射◯ブに付き合ってくれよ。頼むわ。」
職場の元ヤン先輩からの誘いである。
よくよく話しを聞くと…なにやら特殊なシチュエーションで◯射が出来るとの事らしい。
簡単に言えば特殊なデリ◯ル。
…
…落ち着け小僧、パンツは上げておけ。
ちょっと怪しいってか危ない香りがするんで俺は先輩が良かったら奢ってもらう作戦に切り替えた。
パイセンの愛機アルファードに乗り込む。
因みにアルファードに乗ってる人は半分はヤンキーなんで気を付けろよ小僧。
「…ええ、ええ、◯◯で女子大生と射◯したいんやけど、ええ、ええ、わかった。んじゃ、一時間後に。」
完全にアホの会話である。
女子大生と◯精したいって言ってるパイセンの顔よ…この人とは距離を置くのが大正義、ソーシャルディスタンスよ。
そして、俺達は夜の高速を走る。
そう、このバカが指定したシチュエーションは夜の高速インターチェンジで女子学生と◯精であったのだ…
なんで?
なんで高速インターチェンジなん?
多目的トイレでよくね?
つか、高速インターでアオカン始めるんじゃないだろうなこの野郎は…
俺は心配である。
このアホの子が逮捕されたらどうやって帰れば良いのか…高速インター生活が始まるのか…と。
さて、指定された時間である。
赤のオープンカーが入って来た。
パイセンの携帯に着信が…
「ええ、ええ、あ? 今入ったやつ?んじゃ、今から行くわ。」
この人は無敵か!?
何でそんな強気で初対面の人と…いや、恐らく怪しい人と話せるの?
どれだけの期待値を積んでもアホには勝てないかもしれない…俺は絶望した。
男の頂点とはアホなんじゃなかろうか…と。
インターチェンジでなにやら丸坊主の人と話しを始めるパイセン(オッサン)。
なんだこの光景は…俺はいったい何を見させられてんのか。
交渉が成立したのか丸坊主と離れてオープンカーに乗り込むパイセン。
そして、オープンカーの屋根が開いてパイセンの顔が見える…
ん?
動いていない…ってことは夜の高速インターチェンジでオープンカーの屋根を開けてフェラーリ…。
ここは突っ込む所だぞ小僧よ。
夜の高速インターチェンジでフェラーリ…誰が上手い事言えと言ったんや!?
これな。
これが突っ込みな。
おっと、話をフェラーリに戻そうか。
つか、オープンカーやから夜景とアホの…パイセンの顔が…見え…る。
マジで知り合いの…オッサンのイキ顔ほどキツイ物は無い…
俺は吐きそうになりながらインターチェンジの休憩所へ向かいブラックコーヒーを飲み黄昏れていた。
「おお!そこに居ったんか!めちゃくちゃ良かったぞ!! やっぱ夜の高速インター最高!!!綺麗な子やったしな!お前も行けや!いや、イケや!」
テッカテカの顔でアホの子が話し掛けて来た。
俺は…めちゃくちゃ嫌な予感がしてパイセンに切り返した。
「つか、女子何人いたんすか?あの車二人乗りでしょ?俺の相手がいたとは思えないんすけど…」
パイセン(バカ)は不思議そうな顔をしてこう切り返した。
「あ?俺と同じ相手に決まってるやろが!何やお前、あのハゲに咥えてもらいたいんか?あ?」
ダメだ…アホの子や…
俺は…本音を言えばこのシチュエーションを経験したい。
マジで楽しみだったんだが…同じ相手は絶対に嫌だ!
シャワーあったりしたらワンち…いや、ねーな。
俺は…
俺は…血の涙を流しながら…断腸の思いで断った。
次は…次は…俺が先に…
丸坊主のオッサンにも
「何や兄さん、若いのに闘わんのかい?」
闘わんのかい?って…何語やねん!!
ダメだ…俺は何回闘ってもこのバカ二人に勝てる気がしない。
男として勝てる気がしない。
夜の高速の風景を眺めながら帰路につく。
いつか…いつの日か俺は…コイツ達を越える男になると夜の高速の夜景に誓った。